Ciaoの駆動系

バリエータ付と無しの2種類があり、エンジンは共通だが駆動機構が異なる。
バリエータの有無は左サイドカバー形状で判断できるものもあるが、最近のモデルではバリエータの有無にかかわらず同じサイドカバーを使用しているため外見では判断がつかない。後輪側の膨らみが大きいものがバリエータ車であるが、現在のモデルはすべてこのタイプのサイドカバーを使用している。

自転車駆動系

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車体右側にチェーン駆動部分がある。自転車と全く同じでペダル部分のスプロケットと後輪部分のワンウェイギヤから構成されている。要するに前方向に普通にこげば後輪が回り、逆方向にこげば空回りするだけである。
この自転車駆動系エンジン始動のためのキックスターターも兼ねている。というよりもCiaoのエンジンは後輪を回せばかかる。

エンジン駆動系

車体左側にあるのがエンジン駆動系。クランクシャフトから後輪へはベルトで動力が伝達される。この機構部分はバリエータ(変速機)の有無によって構造が異なる。

バリエータ無し(モノスピード)モデル

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クランクシャフト側に遠心クラッチが設けられており、クラッチのインナーがクランクに接続されている。アウター側がプーリーとなっており、ベルトはここにかけられている。
リア(ドリブン)側は単純にプーリーが1個ついているだけ。一次減速はこのプーリー-ベルト-プーリーによって行われている。
二次減速は実はリアハブ内で行われている。リアのハブはギヤボックスを兼ねておりモノスピードモデルでは2個のギヤで減速が行われる。自転車モードの切り替えボタンがリアハブにあるのはこのためである。
エンジンを始動する際の機構は遠心クラッチのアウター側(ベルトがかけられている側)にスタータークラッチが設けられており、外側を回転させるとクランク軸と接続されエンジンを始動する仕組みになっている。つまり『後輪を回してやれば』エンジンは始動することになる。
このためエンジンを始動するには、自転車と同じく「こいで」やればエンジンはかかるし、一定速以上で押せば、押しがけ状態になるのでエンジンがかかる。
右側のチェーンで一旦、後輪を回して、後輪の回転がクランク軸に伝わってエンジンがかかるという何とも奇妙な機構であるが、押しがけできるオートマ原付というのは珍しいかもしれない。

1.2馬力車では前プーリー(クラッチ)が55mm、後プーリーが90mmが標準サイズと思われる。ギヤボックス内はプーリー側が9T、リアアクスル側が76T。減速比は一次が1.64、二次が8.44となり、最終減速比は1/13.8(某マニュアルでは1/13.04らしい)。

バリエータ付モデル

バリエータ付車の場合にはクランク軸にはいわゆるバリエータが付けられている。遠心力(=クランク軸の回転数)によってプーリー径が変わるCVT機構がクランク側にある。
リア(ドリブン)側は遠心クラッチおよびスタータクラッチが設けられている。この構造のためバリエータ付車ではベルトは常時回転しており、クラッチ動作はリア側で行われる。ベルトによって伝達される動力はリアのクラッチのインナー側を回転させる。アウター側はギヤボックスと接続されており、こちら側にはスタータ・クラッチが設けられている。
CVT機構だけでは十分な減速比が得られないため、バリエータ付のモデルではリアハブ内のギヤボックスがモノスピードのものと異なっており、ギヤ4枚(うち1枚はアイドラ)による減速が行われている。
始動方法はモノスピードと同じだが減速比の関係から、バリエータ付の方がエンジンがかけにくい。なおBravoは日本に入ってきているものはすべてこのバリエータ付モデルのようである。

人力アシスト

Ciaoは人力でのアシストが可能。このリクツは簡単で、エンジン駆動中でもチェーン側はワンウェイギアが空回り方向で作動している状態のため後輪の回転がペダルにキックバックされていない。つまりワンウェイギアがゆっくり回っている状態でペダルをこげば当然、ペダルからの人力動力は後輪に伝達されるのでアシスト効果が出る。
発進時や坂道で速度が上がらない場合にはペダルを漕ぐのは、かなり効果的。


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