基本的にCiao,Bravo,SIあたりはエンジンもギヤも同じ。ただし、プーリー径やギヤ比など細かなセッティングが異なる。理由のひとつはタイヤ径。
基本
モノ車とバリエータ車のちがいは駆動系を参照。
- モノ車
クランク軸にクラッチ+プーリー
リアのギヤボックス側にドリブン・プーリー
ギヤボックス内にはギヤが2枚だけ(1.2PS)
- バリエータ車
クランク軸にバリエータ(おもりが付いてる側)
リアのギヤボックス側にドリブン・プーリー(可変)とクラッチ
ギヤボックス内にはギヤが4枚
という違いがある。ぶっちゃけて言えば駆動系は全部ちがうともいえる。
エンジン側はモノ車もバリエータ車も違いはない。クランクの出力軸の径やネジは全く同じ。ただし、クラッチとバリエータは当然、構造が異なるのでフライホイールとクラッチまたはバリエータの間のディスタンスカラーの長さ/形状が異なる。
ギヤボックス側はギヤボックスそのものが異なるので当然といえば当然だが、プーリー取り付け軸の長さ/太さが異なる。モノ車では17φで短いものだが、バリエータ車では13φで長い軸がついている。
部品の入手
早い話がエンジンが動かない部品取りのBravoがあればバリエータ、クラッチ、ギヤボックスを持ってくれば使える。特に日本に入ってきているBravoはバリエータ付のものばかりのようなので、Bravoの部品取り車があれば幸せになれる。
ただし、変速ベルトだけは長さが異なるので使えないため、どこかからか入手してこなくてはならない。同等品はDAYCOの7153。幅13mm×周長980mmのCVT変速ベルトなので、他にも探せばあるかも。
新品の保守部品はスイスからならまだ入手可能。ただし、お値段は結構するので覚悟のこと。あとはeBayを探せばCiao用でもBravo用でも中古部品が入手できなくはない。ただし、eBayとはいってもItalyかSwissなどヨーロッパ圏で探す必要あり。
バリエータ部分(クランク側)はチューニングパーツとしてマロッシ等からも発売されているので、こちらは探せば入手しやすい。問題はリアのドリブンプーリー+クラッチ側で、中古部品を漁るなら、やはりeBayあたり。
バラで部品を入手した場合に、意外と泣きを見るのがリアのクラッチ部の半月キー。これがないと空回りします(あたりまえ)。で、こいつは日之出スッピルのもの(3×13半月キー)が使えるので、機械部品屋かホームセンターを当れば入手できるはず。たぶん標準的なキー。
改造方法
部品さえ入手できてしまえば、こりゃもう簡単です。フロントのクラッチを外してバリエータに交換。リアはギヤボックスを交換し、ドリブンプーリー+クラッチをつける。これであなたもバリエータ車。
前
後
現在、試行錯誤中。実は当初買ったドリブン・プーリーが100mmのものだったため、加速がめちゃくちゃよいCiaoになってしまいプーリー径を下げる予定で部品待ち中。まともになったら構成を書きます。
メリット・デメリット
- メリット
加速は確実に良くなる
発進時の力が出るので乗りやすくなる
- デメリット
テールヘビーになる(ドリブンプーリー+クラッチが、かなり重い。ギヤボックスが重くなる。)
エンジンが始動しにくい(デコンプすればだいじょうぶ)
セッティングがよくないと高速側が出ない(高回転で低速で走るので燃費悪くなる)
参考
問題はあるが、Ciaoの古い0.8PSタイプのギヤボックスが手に入ればバリエータ用として使える可能性が高い。ギヤそのものはチューニングパーツとしてマロッシなどで出ているため、ギヤボックスだけ0.8PSのものを使い、ギヤは別途入手という手もアリ。ギヤをそのまま流用しようと思ってもプーリー軸が短いので、その軸だけはどっかから入手しなくてはならない。
0.8PSの古いCiaoの見分け方はギヤボックスを見て、ニードルローラーベアリングが何個入っているかをチェックすればよい。車体から取り外さないと見えないが、小径のニードルローラーが車体左側(プーリー側)に2個、ハブ側に3個入っているのが0.8PS Ciaoのギヤボックスの模様。
意外と困るのがサイドカバーかも。Ciao PXのものが手に入ればよいのだが、Ciao Pの場合にはモノ車とバリエータ車でサイドカバー形状が異なるものを使っている。