*基本構造 [#c38dcf37] オートマ車なので乾式の遠心クラッチ。~ 駆動用のクラッチ以外に始動用のスタータークラッチが設けられている。メインのクラッチは3枚構成で、スタータークラッチは2枚構成。~ クラッチのアウターはとにかくよく錆びる。~ **メイン [#l4b4d4d9] #ref(clutch01.jpg) インナー側の3枚シュー式。ごく普通の遠心クラッチである。写真はモノ車のもの。 **スターター [#sa8aa45d] Ciaoのエンジン始動方法はちょっと特殊で『後輪を回転させる』ことで始動する。このため、クラッチには被駆動側が回転すると接続される"スターター・クラッチ"が設けられている。このスターター・クラッチはモノ車もバリエータ車もクラッチのアウター側についている。~ スターター・クラッチも遠心クラッチで、アウター側が回転することでインナー側に接続する仕組みになっている。~ *モノ車 [#u5d7e108] モノ車の場合にはクラッチは前(クランク軸)側にある。アウター側がプーリーになっており、インナー側がクランク軸。~ *バリエータ車 [#xe8a452a] #ref(vario3.jpg)~ バリエータ車では前(クランク軸)側がバリエータでリア側がクラッチになっている。可動プーリーとクラッチで構成されている。~ 外側のベル状の部分がクラッチのアウター側になり、ギヤボックスの駆動軸を回す。プーリーはインナー側に接続されており常時回転している。~ #ref(vpshaft01.jpg)~ バリエータ車の場合、プーリー/クラッチ軸が長い。上の写真の矢印部分はクラッチの回転側が乗っている場所のため、この部分のグリス切れに注意。回転側の乗っている面積が大きいため抵抗が大きく、クラッチが切れている状態でも後輪が回転してしまう。オートマ車でいうクリープほど強いものではないので、ちゃんと整備されていれば勝手に走り出すことはないはず。むしろエンストにつながるかも。~ *運転上の注意 [#g4796a2c] クラッチが2重構成になっていることに注意。~ ~ 車体を押してあるく場合には自転車モードにして押すのが無難。エンジン駆動状態で押して歩くと、ちょっと走るとスターター・クラッチが飛び込んでエンジンがかかろうとする。バリエータ車では後輪がロックしたかのようになってしまうので、ちょっと危ない。~ ~ エンジン回転数が低い(=メイン・クラッチが切れている)状態で、後輪が回転するとスタータークラッチが飛び込むため、エンジンブレーキ状態になるケースがある。坂道の下りなどで、スロットを全閉してブレーキを書けるなどした後、坂を利用して前に出ようとするとスターター・クラッチが飛び込むのでエンブレ状態が発生する。~ 特にバリエータ車の場合には減速比の関係から、エンブレがきつく効くので注意していないと慌てることになる。~ |