基本構造

オートマ車なので乾式の遠心クラッチ
駆動用のクラッチ以外に始動用のスタータークラッチが設けられている。メインのクラッチは3枚構成で、スタータークラッチは2枚構成。
クラッチのアウターはとにかくよく錆びる。

メイン

clutch01.jpg

インナー側の3枚シュー式。ごく普通の遠心クラッチである。写真はモノ車のもの。

スターター

Ciaoのエンジン始動方法はちょっと特殊で『後輪を回転させる』ことで始動する。このため、クラッチには被駆動側が回転すると接続される"スターター・クラッチ"が設けられている。このスターター・クラッチはモノ車もバリエータ車もクラッチのアウター側についている。
スターター・クラッチも遠心クラッチで、アウター側が回転することでインナー側に接続する仕組みになっている。

モノ車

モノ車の場合にはクラッチは前(クランク軸)側にある。アウター側がプーリーになっており、インナー側がクランク軸。

バリエータ車

vario3.jpg

バリエータ車では前(クランク軸)側がバリエータでリア側がクラッチになっている。可動プーリーとクラッチで構成されている。
外側のベル状の部分がクラッチのアウター側になり、ギヤボックスの駆動軸を回す。プーリーはインナー側に接続されており常時回転している。

vpshaft01.jpg

バリエータ車の場合、プーリー/クラッチ軸が長い。上の写真の矢印部分はクラッチの回転側が乗っている場所のため、この部分のグリス切れに注意。回転側の乗っている面積が大きいため抵抗が大きく、クラッチが切れている状態でも後輪が回転してしまう。オートマ車でいうクリープほど強いものではないので、ちゃんと整備されていれば勝手に走り出すことはないはず。むしろエンストにつながるかも。

運転上の注意

クラッチが2重構成になっていることに注意。

車体を押してあるく場合には自転車モードにして押すのが無難。エンジン駆動状態で押して歩くと、ちょっと走るとスターター・クラッチが飛び込んでエンジンがかかろうとする。バリエータ車では後輪がロックしたかのようになってしまうので、ちょっと危ない。

エンジン回転数が低い(=メイン・クラッチが切れている)状態で、後輪が回転するとスタータークラッチが飛び込むため、エンジンブレーキ状態になるケースがある。坂道の下りなどで、スロットを全閉してブレーキを書けるなどした後、坂を利用して前に出ようとするとスターター・クラッチが飛び込むのでエンブレ状態が発生する。
特にバリエータ車の場合には減速比の関係から、エンブレがきつく効くので注意していないと慌てることになる。


    ホーム 一覧 検索 最終更新 バックアップ リンク元   ヘルプ   最終更新のRSS