このトラブルはおそらく一番多いのではないだろうか。
オーバーフローを起こしていると以下のような症状が発生する。
- いつの間にか燃料が無くなっていた
- 始動が困難
- 車体下に何かがタレている
イタリア車では当たり前かもだが停車中は燃料コックはオフにしておこう。それでも漏れてたりするのが悲しいところだが。
リクツ
キャブレターはデロルト製と一流だが、そこはイタリア製品だけあって、どうも詰めが甘い。フロートニードルの精度が悪いのか、はたまたフロートの浮力が足りないのかキャブレターのオーバーフローはよく起こす。
キャブにはどうもオーバーフロー穴が無いように見える。このためフロート室が満タンになると、燃料はエアクリーナー側とクランクケース側両方にあふれ出すようだ。車体の傾きによって、どちら側に燃料が流れ込むかは決まるわけだが、車体の下に燃料がタレている場合にはエアクリーナーに流入した燃料がエアクリーナー下部の穴から出て、スタンド部分を伝わってタレていることが多い。位置が特徴的なので、すぐに気付くはず。
クランクケース側に流れ込むと混合気が当然、濃くなってしまうため始動困難になる。エンジン始動時に猛烈な白煙がモクモクと出るような場合は、これが疑われる。
クランクケース側に燃料を流れこまさないようにするには停車時に車体のケツを下げていれば良いのでサイドバックをつけて後ろを重くしてしまうのも手である。
対策
フロートニードルを清掃・交換する、最悪キャブ交換など当たり前のことを一通りやってみるしかない。燃料内のゴミが疑われる場合には、キャブの燃料ホース接続部分を分解してみる。この中にフィルターが入っているので穴があいてないかなどをチェックしてみよう。
しばらく放置されていた車両ではキャブ内の燃料だけが気化してしまい、オイルの塊が残っていたりするので分解清掃は効果的。
参考
燃料ラインの途中に燃料フィルターを入れると逆効果になる場合があるので注意。これは気化した燃料がフィルター内にガスの形で残ると、温度上昇によって膨張し燃料を押してしまいニードルに勝つことがあるためのようだ。このため燃料フィルターを付けたい場合には、なるべくサイズの小さなものを入れる方が良い。